自分たちとは別に姉・遼子の件を追っている人間がいることを確信した沢村由介だったが、四人目の署名者から話を聞いても、依然釈然としないものしか残らなかった。
しかし時沢村は、ふとこれまで完全に忘れていたある男の存在を思い出す。それは行方不明になる前の遼子の恋人だった。
その名前すら知らない男を捜すべく独自に動き始めた沢村だったが、「復讐者」の存在が署名者たちにさらなる行動を促す。そこから綻びを見出した沢村たちはついに署名者たちを集め、真実を聞き出すための会合を開くところにまでこぎつけることができた。
遼子の恋人だった男を見つけ出した沢村は、彼をもその告白の場へと連れて行くことを決断する。
かくして沢村たちと署名者らは、最後の決戦の舞台となる山中湖の別荘へと向かうことになるのだが――。
二十三年前、インドで一体何が起きたのか。当時遼子の恋人だった男は、その件にどのように関わっているのか。そして「復讐者」の正体とは――。
全ての真実が今、白日の下に晒される。